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樹木の発芽のチャンスは1年に2度ある?
樹木の種の発芽条件は、一般に草本類よりも厳しいといえます。つまり、より条件が整わないと芽を出さないということです。これは、草本類は、寿命が短いゆえに成長も早い、樹木類は、寿命が長い分、成長が遅い(十分成長するまでにかかる時間が長い)ということが関係しています。草本類は、わずかな時間があれば十分成長して次の世代につながる種子を残すことが出来ます。樹木の場合、種子を残すためには少なくとも数年はかかります。どうしても冬を越える必要があります。発芽してすぐに冬が来たら枯れてしまいます。それで樹木の場合、一度寒さを経験し、その後の、温度の上昇に合わせて発芽するという特性を持つものが多いようです。温帯に自生する樹種の場合、播種の時期は、気温が15℃〜20℃になる、3月下旬から4月頃が適期とされています。
ところが、この時期に種を蒔いても、なかなか発芽しないことがよくあります。毎日、植木鉢を眺めてみても一向に芽を出さず、とうとうあきらめてしまったということもあるのではないでしょうか。
でも、そんな場合でも、すぐに別の種を植えるために片付けてしまわないで、もう少しだけそのままで待ってあげてください。出来れば時々は水をあげてください。樹の種はじっとチャンスをうかがっているのです。わたしもよく経験することですが、春ではなく、秋に発芽する種が多くあります。これは、発芽温度が、15℃〜20℃という樹種の場合、春のチャンスを逃した時、秋になって気温が下がり、この温度が何日か続くようになると春と勘違いしてか、ひょっこり芽を出していることがあります。今年、アオギリやナンテンなどがそうでした。
ですから、樹木の種子にとって発芽のチャンスは1年に2度あると考えてよいでしょう。春、発芽しなくても秋まで待ってみましょう。秋まで待ったのですから、来年の春まで待ってあげてください。きっと芽を出しますよ。苦労して生まれてきた命は、かわいさもひとしお。大事に育ちます。
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秋になってから芽を出した
(左)アオギリ
(右)ナンテン
2009年11月8日撮影 |
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おすすめ樹種
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発芽しやすく、その後の管理もしやすい樹種です |
・ハナミズキ |
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商品名:ハナミズキ
数量:20粒
価格:240円
在庫:10 |
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